CBDオイルやCBDグミが人気になっていますが、CBDについて調べていくとTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分についての情報もよく目にします。CBDとは異なり、日本では厳しく規制されている大麻成分になるので、十分に気を付けなければなりません。
今回の記事ではTHCについて、詳しく解説しています。THCについて十分に理解し、CBD製品を選ぶ際にもTHCフリーを選び、安心・安全な商品を選択するようにしてください。
THCとは?大麻取締法で禁止されているので注意が必要
THCとはテトラヒドロカンナビノール(tetrahydrocannabino)のことで、大麻草の成分「カンナビノイド」のひとつです。幻覚等の有害な精神作用を起こす物質としても知られており、日本では大麻取締法によって規制されています。その一方で痛みの緩和、不安の緩和、吐き気の緩和など、医療目的で使用されることがあります。
「カンナビノイド」には、THCの他にCBD(カンナビジオール)・CBN(カンナビノール)などの成分があります。CBDやCBNについては法律で規制されていないため、CBDオイルやCBDリキッドといった形で一般的に販売され、使用されることが認められています。
THCを摂取するとどうなる?健康への作用を知っておきましょう。
THCが日本では規制されているのは前述した通りですが、では実際に摂取した場合にはどうなるのでしょうか。一般的には「精神活性」「食欲増進」「不眠解消」などの効果があるとされています。
精神活性作用
精神活性作用とは、脳に作用して、気分を高揚させたり、現実感覚を変化させたりすることを言います。マリファナや大麻と聞いて多くの人がイメージすると思いますが、これがいわゆる「ハイになる」と呼ばれるTHCの作用です。
食欲増進
またTHCの摂取により、脳の食欲中枢に作用して、食欲を増進させることもできます。これが、マリファナや大麻の使用によって生じる「マンチーズ」と呼ばれる現象で、空腹に感じたり、食べ物がおいしく感じたりします。
不眠解消
またTHCは、脳に作用して、眠気を引き起こすことができます。不眠の解消に役立つとも考えられます。
THCの治療効果。医療大麻としての活用について
医療大麻という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、大麻の成分であるTHCは治療のために使用されることもあります。THCによりどのような治療効果が期待できるのか気になるところかと思いますので、以下にTHCの効果として主な3つ紹介していきます。ただし、あくまで海外に限ったことであるため、日本においては医療大麻は認められておりません。(2023年現在)
痛みの緩和(鎮痛作用)
まず初めにTHCの効果として挙げられるのは、痛みの緩和(鎮痛作用)です。中枢神経系に作用して、痛みの感覚を軽減することができます。疼痛に対するTHCの効果は、鎮痛剤と同等またはそれ以上であると考えられています。
不安の緩和(抗うつ作用)
次に、神経系に作用して、不安や緊張を軽減することができるというのもTHCの効果のひとつです。この効果は、うつ病、不安障害、PTSDなどの精神疾患の治療に役立ちます。
吐き気の緩和
3つ目に紹介するTHCの効果は、消化器系に作用して、吐き気を緩和することができるということです。これは、がん治療における化学療法による吐き気や嘔吐の緩和に役立ちます。
THCを含むカンナビノイドが人体に与える影響については、まだ明らかになっていない部分が多く、現在も研究が続けられています。ここで挙げられた効果の他にも様々な作用が考えられます。
気を付けておきたいTHCの副作用
THCが医療に活用されているとはいえ、使い方を誤ってしまえば大きな危険を伴います。日本や世界でも規制・制限されている理由でもありますが、THCを摂取するデメリットとも言える副作用の危険性についても、しっかり把握しておいてください。
精神的影響
THCは、脳に作用して、気分や認知機能を変化させます。高用量のTHCを摂取すると、不安、幻覚、パニック発作、精神病的症状などの精神的な影響が報告されています。
心血管系への影響
心血管系への影響も懸念されています。THCの使用によって、心拍数や血圧が上昇することがあり、これが継続すると、心臓病や脳卒中などの心血管系の疾患のリスクが高まる可能性があります。
呼吸器系への影響
THCの使用によって、気管支や肺にダメージを与えることがあります。これが継続すると、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺がんなどの呼吸器系の疾患のリスクが高まる可能性があります。
認知機能への影響
THCの使用によって、短期的には記憶力や注意力が低下することがあります。長期的には、認知機能の低下やアルツハイマー病などの認知症のリスクが高まる可能性があります。
依存症
THCは、依存性があるとされています。長期的な使用によって、身体的・精神的な依存症が生じる可能性があります。
参考URL:大麻乱用による心身への影響 厚生労働省
知っておいて欲しいTHCとCBDの違い
THCと比較される成分に同じカンナビノイドのCBDがあります。THCは大麻の成分として違法性がありますが、CBDについては合法となっているのが大きな違いです。
またCBDの効果やデメリットについても違いがありますので、解説していきます。
CBDの効果
CBDにはリラックス効果やストレス軽減の効果があると言われています。THCでは精神活性作用があり「ハイ」になりますが、CBDはその逆にあたるものと言えるでしょう。その他にもCBDには抗炎症・抗酸化などの作用も期待されています。
CBDの副作用
CBDについてはTHCほどの副作用があるわけではないとされていますが、人によって倦怠感や眠気のような症状が現れるようです。副作用が気になるようであれば、摂取量を調整するなどしてみてください。
まとめ
大麻の取り扱いについては大麻取締法により厳しく規制がされています。違反した場合には懲役および罰金の刑罰を受けることになります。
CBDのようにリスクの少ない成分はあるものの、THCが含まれていないことをしっかりと確認した上で摂取するようにしましょう。